阿部鳴美さん(みなとまちセラミカ工房)

01_阿部鳴美さんの写真

みなとまちセラミカ工房

阿部鳴美さん

阿部さんは、東日本大震災前から陶芸サークルとして活動していましたが、被災により、活動していた公民館分館も、作りためていた作品も全て流されてしまいました。震災から半年が過ぎ生活が落ち着いた頃「もう一度陶芸がしたいね」と、久しぶりに会った仲間と話し、サークル再開に向けて動き出した頃、建築家の坂茂氏、日本画家千住博氏と出会い、当時千住氏が学長をされていた京都造形芸術大学様から電気焼成窯を寄贈して頂くことになりました。喜びの一方、設置する場所もなく、まだつらい生活を送っていた方が多い中で、自分たちは娯楽の陶芸をしている場合なのかという気持ちの葛藤もあったそうです。

まちの復興連絡協議会の方にスペインタイルの存在を教えてもらい、東京の教室に習いに行くことになったことが活動の始まり。これまでのタイルのイメージを覆すあたたかみに、惚れ込んでしまいました。きぼうのかね商店街のコバルトーレ女川の事務所を半分貸していただけることになり、活動の基盤が整いました。

スペインタイル教室のスペイン研修旅行の日程が3月11日と重なってしまい、とても迷ったが、研修旅行に参加しました。暗い気持ちで参加したが、そこで、バレンシア地方のカラフルで明るいまちなみにあたたかみを感じたそうです。博物館に展示された何百年も前のタイルが、色鮮やかなままかつてのまちなみの様子を伝え、何百年も前のその当時に引き戻されるような間隔を味わいました。そして、女川の懐かしい風景や、女川の復興の足跡をタイルに描き遺したいと考えました。

決意を固めたものの、主婦ひとりで何が出来るかと悩んでいた際、内閣府「新たな一歩プロジェクト」を知りました。コンペに応募し採択されて、NPO法人化するための準備を進め、2013年4月から「NPO法人みなとまちセラミカ工房」として活動するようになりました。阿部さんは、技術の習得のために、東京のスペインタイル教室へ通い、およそ2年半を経て講師資格を取得したそうです。

最近では、様々な場面でコラボレーションをさせていただく機会が増えてきたそうで、町内では、エルファロや公営住宅にスペインタイルが使用されています。町外の企業では、ポケモンやTポイントカードからの制作依頼や、通販会社フェリシモとのコラボプロジェクトも進んでいます。

阿部さんは、スペインタイルの制作工程はまちづくりに似ているという。素焼きのままのタイルは現在の女川。この土台に鉛筆で線を引いて、様々な方が鮮やかな色を流し込んで、焼き上げます。復興への想いをこめてスペインタイルを制作しています。スペインタイルを女川の文化にしていきたいという夢を持って活動しています。

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